2022年3月13日 存在しないコジコジの単行本

ちびまる子ちゃんの単行本を第12巻(1994)だけ持っている。私の好きなコジコジが巻末の描き下ろしに出てくると聞いたので買った。この巻の発売当時、コジコジの単行本は出ていない(きみとぼくコミックスのCOJI-COJI①が出たのは1995年10月)。この描き下ろしに描かれているコジコジの単行本はまだ世に存在しない架空のものであるということだ。

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(『ちびまる子ちゃん【12】』p.161)

出版社のマークなどがないコジコジの単行本が6冊並べて描かれているのを見たときに、胸がいっぱいになって少しだけ涙が出た。さくらももこがもういないこの世界では、もう更新されないコジコジの既刊が3巻ある(出版社によっては4巻に分けられている)。さくらももこコジコジを6巻より多く出すつもりでいたんだろうか、少なくとも最初はそのつもりでいたんじゃないか、インタビューでは脚本を漫画に描きたいと言ってたな…と、存在したかもしれないコジコジの単行本を思って寂しかった。

でも今年はコジコジ万博があるんだ。原宿にはちびまる子ちゃんコジコジのグッズ屋さんもあるし。いまだってたくさんあるのはうれしい。これからだってある。たくさんのひとが好きだから続いていくんだと思うと見知らぬ人たちが愛おしくなる。その人たちと好きで居続けられるのもうれしい。