2022年7月7日 大人になれば

シングルを買ったのを機にGravityを改めて聴いて、ストリングスとドラムで音が広くなる瞬間を好きになった。「今日が明日 昨日になって」の始まりあたり。たしか去年(3人のSONGSのあと)aurora arcをようやく聴けたり、最近のBUMP OF CHICKENは2年遅れてやってくるのかもしれない。いや、Flareもなないろもほとんどリアルタイムでいい曲だなと聴いているしそうとも限らないか。アカシアは少しだけ遅れて好きになったような気がする。ナラハシさんが公開されてすぐのGOTCHA!のMVのよさを話してるときはまだ聞いていなかったような記憶がある。Small worldは配信のほうのSilver Jubileeで初めて聴いて、そこからだんだん好きになっていった。いまのところクロノスタシスは新しさに驚く気持ちが消えない。はじめましてのままの距離感というか、好きになるより前に驚いている。前回のアルバム以降の曲たちも、相変わらず優しさと、彼らとしての新しさがずっと繰り返されている。新しさすべてを好きになれるわけではないけど、ずっと好きでいられたらいいなと思うバンド。もうすぐ好きになって10年経つ。

Gravity

Gravity

自分のなかで聞こえ方が変わった曲やアルバムだと、Ever lasting lie(BUMP OF CHICKENの曲)ととげまる(スピッツのアルバム)が印象的だ。どちらも初めて聴いてからしばらくは耳に引っかかる感じがなく印象に残らなかった。THE LIVING DEADだと、Ever lasting lieよりもランプとかグロリアスレボリューションが好きだったし、とげまるだと恋する凡人くらいしか耳に残らなかった。いまは逆転するくらい好きになっている。とげまるは普遍的な音が鳴っている曲が多い気がする。普遍は特徴として捉えにくいから耳に残らなかったのかもしれないといまは思う。むしろそれがいいんだと思うようになった。興味をもてなかったのにまた聞いてみようと思ったきっかけは忘れたけど、一度で興味もてなかったアルバムを聞いてみてよかった。

とげまるはシングル曲が多いらしく、聞きやすいアルバムなのに当時はわからなかった。アルバムとして好きになったけど、なかでも幻のドラゴンはスピッツの真ん中にあるみたいな曲だと思う。聞くたびに「真ん中の曲だ」と思う。

幻のドラゴン

幻のドラゴン

Ever lasting lieはバンドバージョンもアコースティックバージョンもギターソロを好きになった。あれが制作期間10日とか2週間くらいだったぎりぎりのアルバムの曲だということよくわかっていない。藤くんの骨みたいな部分の音なのかもしれない。手癖よりももっと身体的な部分というか。

Ever lasting lie

Ever lasting lie

自分と時代の流れのわからなさがずっとある。好きなものが時代関係なくあるせいで、「昭和に生まれればよかったのにね」と言われがちだから、いまを生きていることをまっすぐ肯定するときに躊躇がある。たしかに流行に乗ることを意識して積極的にできたことはほとんどないけど、いまを生きているしなあ…と。否定しようのない事実があって、文明の利器に頼りまくって過去を遡っている人間だから、昭和に生まれればよかったということはない。いまのものもたくさん好きだ。

もしほんとに昭和の人間だったら、ということはうまく想像できないけど、ほんとにそうだったら百恵ちゃんのコンサートに行ってみたい。チケットとか取れないのかもしれないけど…

いまがいいな。いまを生きてる自分がいい。これからを生きる自分もいいと思いたいけど、どうなっていくんだろう。わからないけれどできるだけ肯定したい。過去のものを見ているときそこに現在の自分はあまりいないから、自分との距離がすごく近い。過去のものとしてではなく、ものとして触れている感覚。情報として年代とかがくっついてくるけど、本質はそのものにあるから、自分とものだけの純粋な世界がある。でもうまく説明できないな。