2022年8月13日 海へ行くつもりじゃなかった記念日

初めて海へ行くつもりじゃなかったを最後まで通して聞けた。これまでは最初の数曲聞いたあたりでお腹いっぱいになってしまうのを繰り返していたのだけどついに!

前半でお腹いっぱいになるのは相変わらずだったけど、後半まで聞けた。サンバパレードあたりからアルバムとしての楽しさを感じはじめて、お腹いっぱいだったけどまだいける感覚になった。感覚が更新されたのかまだわからないけど、これからフリッパーズギターのアルバムをすらすら通して聞けるようになったらいいな。何回も聞きたい。今年の再生回数上位100曲はスピッツバンプがほとんど独占していてつまらない。

ベスト盤とか音が重いアルバムはお腹いっぱいになりがち。Colour Me Popを初めて聞いたときもお腹いっぱいになって、何回かに分けて聞いたのを思い出して調べたらベスト盤だった。アルバム曲がほとんどないアルバムも息が詰まる感じがして、苦しくなって途中までしか聞けないことが多い。それとは別に最初のほうの曲が刺さりすぎて次に進めないこともある。私ってアルバム聞くの下手なのかもしれない。

90年代をほとんど生きていないから、いろんな人に教えてもらっている。その人たちに影響を受ける前は、なぜか買ったJITTERIN'JINNのアルバム、親が持っていたスピッツのハチミツやZARDのベスト盤を聞いていた。

4〜5年前に、1975年くらい生まれの人に教えてもらった小島麻由美とか、偶然流れてきた川本真琴とか。それ以外だとスピッツとか広末涼子などをぐちゃぐちゃに記憶していた。そのあと友達にシューゲイザーやメタルを教えてもらって好きになった。いまだにぐちゃぐちゃな記憶のまま90年代を認識している。10年間をひとくくりにするのは無理があるなー。前半と後半は何となくイメージがつくようになってきた気がする。まだ知ってから5年くらいしか経ってないと思うとそんなものかもしれない。

川本真琴にハマったのは春、入ったばかりの寮の明るくて狭い部屋だった。ぼーっとTwitterを見ていたら桜の動画(誰かの無断転載)が流れてきた。どの部分が切り取られていたのかは忘れてしまったけれど、サビの「桜になりたい いっぱい 風のなかで いっぱい ひとりぼっちになる練習してるの」のところが衝撃だった。風に吹かれて飛んでいく桜の花びらがばらばらになっていく様子と卒業する自分たちを重ねた歌詞をすぐ好きになった。私が学校を卒業して割と間もなかったことも影響しているかもしれない。すごく刺さってしまって部屋の床でじたばたしていたような気がする。その後ニトロデイのぺいさんがどっかに1stの写真載せてたのを見て、CDを見つけたいと思った気がする。

1stを買って、繰り返し繰り返し聞いていた。村上春樹の小説の中に出てくる女の子がこういう音楽をやっていたらいいなと思いながら聞いた。このアルバムは10代の女の子に刺さることだけ考えて作られたらしい。策略通り、10代の女の子だった私はばっちり好きになってしまった。でもいつまでも1枚目ばかり聞いている。最初に好きになった桜が入っているアルバムも聞いたけれど、最初ほどの衝撃は感じなかった。そのあとになってオモコロを好きになったら「神様は何も禁止なんかしてない」が頻出していた。オモコロではほとんどネタとして消費されている感じだけど、藤原さんはタイムマシーンを絶賛している。日本語がうまいのわかる。

210908 好きな曲|藤原|note

川本真琴(アルバム)買おうと思ったきっかけにもなったニトロデイは同世代のなかでも90年代の掘り下げがすごかった(やぎさんはVV magazineでも取り上げられていた)から、私も後を追ってみたい!と思ったけれど多すぎたり、なかなかハマらなかったりしてすぐ断念した。やぎさんのTwitterInstagramTumblrなどを見ながら、たくさん好きになれてすごいなーと思うばかりだった。やぎさんは70年代の掘り下げにも影響しているかもしれない。高田渡とか吉田拓郎とか、このアルバムも聞いてみたいと思うきっかけは少しずつもらい続けている気がする。

そこまで年代が離れていない人たちでいうと、SEAPOOLの涼香さんとおこめさんの共有している音楽にも影響を受けたりしている。数年前に涼香さんがツイートしていて何となく気になっていたアルバムジャケが、突然段ボールの抑止音力のジャケだったと昨日判明した。調べたらこれも90年代のアルバムだった。

いまいろいろ見返していたら、The Get Up KidsのFor Minute Mile(1997)を聞いていないことに気付いた。よく見かけるジャケだ。いつ聞くんだろう。スマパンもちょっとしか聞いていない。こういう、ジャケだけ知ってる、名前だけ知ってるアルバムがどんどん増えて、気になるのだけつまんで聞く。地層のなかから好きなものを発掘するみたいな気分。地層を少しずつ知ると、何年か後になってハマっていたりして面白い。数年前の誰かのツイートを拾ってきて聞いてみたアルバムとかもある。自分のタイムラインはいろいろな年代の情報がぐちゃぐちゃに流れてきて楽しい。ずっと狭く浅いところにいる感覚が抜けない。世界が広すぎて退屈になってしまう日も多い。でも好きになれるものを見つけたいからできるだけたくさん聞きたい。サブスクにあればいつでもどこでも掘れるから助かる。はじめる前に「一度はじめたらやめられなくなるよ!でもぴこんちゃんにはいいと思う!」と教えてもらった通りになった。

初めて聞いたときにはあまりピンときていなかったBUMP OF CHICKENのEver Lasting Lieや、スピッツのとげまるを好きになれたとき、数年ごしの出会いを感じた。そういうの楽しいからたくさん貯めておきたい。断片的にしか覚えられなかったり、すぐ忘れてしまうことも多いけど、初対面で好きになるのも時間がかかって好きになるのも楽しい。

なんとなく気分が晴れなくてしんどさがいなくならない日だったけど、音楽の話とかしてたらだいぶ薄くなった。脈拍も普通で、腕も昼よりずっと動かせるようになってこんな時間までこれを書いている。眠くなってきたのでおしまい。知らないこと教えてくれる人たちいつもありがとうございます。