2021年10月21日 おもろ研究会と鬼語

「おもろそうし」という言葉がある。本が雑多に並べてあるところで初めて見かけたので、詳しい意味は知らないが、琉球王国の歌謡に関わる単語であるらしい。見かけた本は「おもろ研究会」によって著され編集されていた。おもろ研究会という名前、てっきり面白いものの研究などをしている人たちかと思った。笑いの研究をしている人たちもいることだし、そういう人たちの学会かと思ったらぜんぜん違った。

その本を見かけたのは、図書贈呈会という無料で本をもらえる嘘みたいな場所だった。たまにある。ただ本を自由に持って行っていいよ~ってしている図書館。ありがたい。廃棄された雑誌(「廃棄」のハンコが押されている)だったり、その他さまざまな本が並んでいたり、すでに誰かが大量にもっていってしまった後だったり…今回はまだ大量に本があるうちに足を運ぶことができた。
そのなかで著者名のところに「美智子」とだけ書かれた本を見つけた。美智子…?ゴシップ本とかだと名前だけの著者がいたりするのかと思ったすぐあとに気がついた。美智子さまだ。当時皇后だった上皇后美智子さまだ。(上皇后っていうんだね)天皇家の人たちが出版すると、下の名前しかないのか!というのが新鮮な驚きだった。(天皇家ガーター騎士団←すごい騎士団 に所属してるっていうのも最近知った新鮮な驚きだった)普段、そういえば天皇家には苗字がないんだった、くらいの認識でいるから、改めてほかの人と対比しやすいような書籍の著者欄で見ると不思議に感じる。
『橋をかける』という本で、「橋をかける」では幼少の頃からの読書経験について、「バーゼルより」では子どもと読書について自身の体験に触れつつ、まどみちおの詩の英訳をしていたことなどが書かれていた。えっ!?上皇后陛下ってまどみちおの英訳してたの!?知らなかった…その2篇以外は解説などが多くを占め、上皇后が実際に書かれた部分は多くなかったが、上皇后の言葉に文字として触れたのが初めてだったから読んでみてよかったと思う。なんといっても無料で手に入れられたもののなかにそれがあったのがうれしい。1000円を超える文庫にはなかなか手が出しづらい…

「橋をかける」でいちばん気になったのが「鬼語」だ。

「取り上げた「少国民文庫」にも、武井武雄という人の描いた、赤ノッポ青ノッポという、二匹の鬼を主人公とする漫画がどの巻にも入っており、私はくり返しくり返しこれらを楽しみ、かなり乱暴な「鬼語」に熟達しました。」(文庫版 p.35)

上皇后と鬼語の距離が遠すぎてうまく理解できていない。

読んでなおわからない。鬼語…?これは追って調べてみたい。

「橋をかける」のもととなった講演のおことばが宮内庁HPにあった。

第26回IBBYニューデリー大会基調講演 - 宮内庁

バーゼルより」もあった。

国際児童図書評議会(IBBY)創立50周年記念大会おことば - 宮内庁

鬼語…気になる…
赤ノッポ青ノッポについて書いてあるのこれくらいしかないのかなあ。
https://www.asahi-net.or.jp/~mf4n-nmr/syouno3.html